ティアレの話は、フランス語と英語とのちゃんぽんだった。
つまり、どちらも同じくらい楽に話せるのだ。
なにか一種歌うような調子だったが、それが妙に耳に快かった。
もしも鳥に英語がしゃべれたら、きっとあんな調子なんじゃなかろうかと、そんな気がした。 |
「月と六ペンス」中野好夫訳
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タヒチの公用語は、フランス語なので、ここではフランス語と英語のちゃんぽんで会話をする。
売店に行くと、店員が英語で話しかけてくる。
英語で返事をした後に、フランス語で尋ねると、今度はフランス語で説明を始める。
とこんな具合である。
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ちゃんぽんと言えば、ここでは非の打ちどころのない晴れの日々と、肩をすぼめたくなるような強烈な雨が交互にやってくる。
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常夏の楽園といえども年中晴れているわけではないらしい。 |
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変わりやすい天候のせいかどうかは明らかではないが、昨日あたりから鼻風邪をひいてしまったらしい。
しかもこんな雨の日には海に入る気にもなれない。
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というわけで、暇をもてあました滞在客は売店に行って、同じく暇をもてあましている店員と無駄話に花を咲かせる。
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