叙情的なメロディが遠ざかると、街は再び静けさを取り戻す。
聖なる夜。
普段はそっけないポートオフィスの建物も今日は、クリスマスらしい飾りをつけている。
|
|
|
街の中心の広場には、クリスマスのイリュミネーション。
そして、新年を迎える文字。
|
|
|
|
広場の隅には、キリスト教のほこらもある。
ほとんどが正教徒であるギリシアでは、教会には偶像がなく、イコン(聖画)があるだけだが、ここにはキリスト生誕を物語る人形が置いてある。
そういう意味では、宗教的というより、イベント的な飾りなのかもしれない。 |
|
わらの中には誕生したばかりのイエス・キリストが横たわっている。
かたわらには聖母マリア。
その隣にはなぜか背中にこぶのあるラクダまでいる。
|
|
|
広場を離れて人通りのほとんどない夜の道を風車小屋まで。
空気は冷たく、空は澄み切っている。
小さな星が寒さに震えるように瞬いている。
遠くのほうからかすかに叙情的な演歌のようなメロディが聞こえてくる。
寂しがり屋の暴走族はまだ家に帰りたくないらしい。
|
|