サントリーニ島のクリスマス
 3. 嵐のあとには

 サントリーニ島で毎日やること−水を買いにいくこと。

 サントリーニ島では水道水を飲むことができない。
 石灰分が多いらしく、風車小屋の水道の蛇口のまわりも白くなっている。

 もちろん、大量に買いこんでおけば毎日買いにいく必要はないのだが、アップダウンの激しい石畳の道を大量のペットボトルを抱えて歩くのにも限界がある。

 そんなわけで、今日も街へ。


 食料品店ではサンタクロースがクリスマスのお菓子を売っていた。


 クッキーに砂糖をまぶしたギリシアの伝統的なお菓子である。


 試しにひとつ買ってみたが、正直言ってあまりおいしくなかった。



 買物を終え、食料と水を抱えて風車小屋まで。

 と歩き始めたら急に空模様が怪しくなってきた。


 大量の雲がどこからか押し寄せ、空を埋め尽くそうとしている。

そして、昼なのに夜のように真っ暗に。


 風車小屋について買物袋をおろすと激しく雨が降りだした。


 強い風が建てつけの悪い窓をかたかたと揺らせる。


 危うくずぶ濡れになるところだった。


 突然降りだした雨は、1時間近く激しく降り続いた後、突然あがった。

 窓を開けると今度は急激に青空が拡がっていく。

 そして、雲の間から天空に向かって伸びていく七色の帯。


クリスマスまであと8日。