2. 街までの20分 |
朝8時、教会の鐘の音で目が覚めた。
2階の窓から見えるあの白い教会が、朝と夕方に鐘をならすのである。
朝食をとった後、今日も街へ。
風車小屋から島の中心街フィラまでは、海沿いの曲がりくねった、そしてアップダウンの激しい石畳の道を通って約20分。
もっとも、20分というのは途中で誰にも出会わなければの話であるが。
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すこし歩くとぼくを呼び止める者がいる。
そして、人なつっこい声を出しながらこちらにやってくる。
ギリシアの島には猫が多いと聞いていたが、ここサントリーニ島にも実にたくさんの猫がいる。
石の階段に寝そべる猫。
教会の扉の前にたたずむ猫。
家の窓から顔をのぞかせる猫。
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島の外から来た人間のことが気になるのか、初めて会ったぼくのあとをずっとついてくる猫もいる。
おまけに海をバックにカメラを向けるとポーズまでとる。
そんなわけで、20分でいけるはずの街はなかなか近づいてこない。 |
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ようやく猫と別れて、さらに海沿いの道をいくと、クリスマスのオーナメントを飾った家が目の前に現れた。
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サントリーニ島の家はもともと配色がクリスマスに合うようにできているのか、クリスマスの飾りがそのまま家の色にマッチしている。
そして、ぼくの足は知らないうちにまた完全に止まってしまっている。
街までの道のりは歩いて20分。
ただし、とても20分では着きそうにない。 |
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